不動産業界で働くプロフェッショナルにとって重要な資格の一つである競売不動産取扱主任者。
この資格を取得するためには、しっかりとした試験対策が必要です。
しかし、「競売不動産取扱主任者試験の過去問が中々見つからない」と悩んでいる方が多いのではないでしょうか。
この記事では、競売不動産取扱主任者試験の過去問や、無料で見られるものはあるのかについて解説します。
競売不動産取扱主任者試験の過去問は現状ない
多くの資格試験では、過去問が公式に提供されており、それを利用して試験対策を行うことが一般的です。
しかし、競売不動産取扱主任者試験においては、試験問題の再利用や問題の難易度を維持するための措置として、過去問が公開されていないのです。
このような背景から、受験生は過去問を通じて試験の傾向を把握することが難しくなっています。
そのため、受験生は他の方法を駆使して試験対策を行わなければなりません。
競売不動産取扱主任者試験の過去問を無料で見られるのは公式が出している4問のみ
競売不動産取扱主任者試験の過去問が公表されていない状況下で、唯一の例外として、公式サイトでは一部のサンプル問題が公開されています。
【問1】
不動産競売の開始手続に関する次の記述のうち、民事執行法の規定によれば、適切なものはどれか。
1.強制競売事件の事件番号の符号は(ケ)であり、担保不動産競売事件の事件番号の符号は(ヌ)である。
2.債務者所有の不動産に差押えがなされた場合、債務者は、差し押さえられた不動産の処分ができなくなることに加え、通常の用法に従って使用し、又は収益することもできなくなる。
3.執行裁判所が扱う不動産の競売事件には、担保不動産競売事件、強制競売事件及び形式的競売事件があるが、いずれも債務の清算を目的とする。
4.差押えの効力は、強制競売の開始決定が債務者に送達された時に生じるが、当該開始決定の送達前に差押えの登記がされたときは、当該登記がされた時に生じる【問2】
一般の不動産取引物件と比較した場合の競売物件の特徴に関する次の記述のうち、適切なものの組合せはどれか。
ア 裁判所の介入によるスムーズな物件の引渡しが保障されている。
イ 買受人は宅建業法による保護を受ける。
ウ 買受希望者から内覧を認めるよう申し立てる制度はない。
エ 売主の瑕疵担保責任の規定の適用がない。1.ア・イ
2.ア・エ
3.イ・ウ
4.ウ・エ【問3】
不動産強制競売手続の一部を並べた記述のうち、時系列順に並べたものとして最も適切なものはどれか。
1.強制競売の申立て → 強制競売の開始決定 → 売却基準価額の決定 → 現地調査
2.強制競売の開始決定 → 売却許可決定 → 現地調査 → 売却基準価額の決定
3.評価書の作成 → 強制競売の開始決定 → 売却基準価額の決定 → 配当等の実施
4.強制競売の開始決定 → 現地調査 → 売却基準価額の決定 → 売却許可決定 → 代金納付【問4】
不動産登記に関する次の記述のうち、不動産登記法の規定によれば、誤っているものはどれか。
1.敷地権付き区分建物について売買を原因とする所有権移転の登記をする場合、敷地権の移転登記をする必要はない。 2.敷地権付き区分建物の場合、一棟の建物の表題部には、敷地権の目的たる土地の所在及び地番、地目等が記録される。 3.抵当権の順位の変更は、登記記録の権利部の甲区に記録される。 4.賃借権設定の仮登記は、登記記録の権利部の乙区に記録される。
不動産競売流通協会 過去問サンプル
※解答は記事下に記載
このサンプル問題は、実際の試験問題の一部を抜粋したもので、受験生が試験の形式や出題範囲を把握するための参考資料となります。
ただし、全ての出題範囲をカバーしているわけではないため、これだけで十分な対策を行うことは難しいでしょう。
競売不動産取扱主任者試験対策には過去問のかわりに演習問題集を使おう
競売不動産取扱主任者試験では、過去問の代わりに「競売不動産取扱主任者 演習問題集」を活用することが効果的な対策となります。
この演習問題集は、試験の出題傾向を分析し、実際の試験に近い問題を多数収録しており、十分に過去問の代わりとすることが可能です。
演習問題集を使用することで、受験生は試験の形式や出題パターンに慣れることができます。
また、問題を解くことで自分の理解度を確認し、弱点を補強することも可能です。
実際に試験に挑む前に、演習問題集を繰り返し解くことで、自信を持って試験に臨むことができるでしょう。
競売不動産取扱主任者試験のサンプル問題の解答
【問1】
解答)4.差押えの効力は、強制競売の開始決定が債務者に送達された時に生じるが、当該開始決定の送達前に差押えの登記がされたときは、当該登記がされた時に生じる。
【問2】
解答)4.ウ・エ
【問3】
解答)4.強制競売の開始決定 → 現地調査 → 売却基準価額の決定 → 売却許可決定 → 代金納付
不動産競売流通協会 過去問サンプル
まとめ
競売不動産取扱主任者試験の過去問は、他の資格試験と異なり公表されていませんが、公式サイトで提供されている4問のサンプル問題を参考にすることができます。
サンプル問題での試験対策は難しいため、演習問題集を使用して試験対策を行うと良いでしょう。