【2024年】競売不動産取扱主任者試験の合格率や難易度は?大学の偏差値で例えると?

他の不動産系資格と比べて簡単だと言われている競売不動産取扱主任者試験。

そんな競売不動産取扱主任者試験の合格率や難易度について、宅地建物取引士(宅建)試験と比較しながら詳しく解説していきます。

競売不動産取扱主任者試験の合格率は?推移をもとに解説

競売不動産取扱主任者試験の合格率は例年30%台前半で、2023年は34.4%でした。

2011年から2018年は40%前後でしたが、翌年の2019年以降から30%台前半で推移しています。

実施年受験者数合格者数合格率合格点
2023年1,336人459人34.4%33点
2022年1,460人444人30.4%32点
2021年1,452人479人33%非公表
2020年1,513人459人30.3%35点
2019年1,755人547人31.2%31点
2018年1,958人792人40.4%34点
2017年2,201人890人40.4%32点
2016年1,985人759人38.2%30点
2015年1,922人736人38.3%30点
2014年2,002人747人37.3%31点
2013年1,949人799人40.9%31点
2012年1,655人701人42.3%35点
2011年1,065人448人42.0%非公表

これらのデータから分かるように、競売不動産取扱主任者試験の合格率は他の不動産系資格試験と比べて高めです。
例えば、宅地建物取引士(宅建)試験の合格率が15%前後であることを考えると、競売不動産取扱主任者試験の合格率は非常に高いと言えるでしょう。

また、合格率が30%台前半で推移している背景には、試験内容や受験者の質が影響していると考えられます。
試験範囲が競売に特化しており、実務経験者や専門的な知識を持つ受験者が多いことが、合格率の高さに繋がっていると考えられます。

競売不動産取扱主任者試験の難易度は?

競売不動産取扱主任者試験の合格率は例年30%台前半と難易度は中程度です。

100時間程度の勉強時間を確保できれば合格できるレベルの難易度となります。

問題は選択式で、記述問題は存在しないため、基礎的な知識と実務経験があれば十分に対応できる内容となっています。
特に、競売不動産に関する基本的な法律や手続きの流れを理解していることが欠かせません。

不動産に関する法規、競売手続き、物件調査、競売物件の取り扱いに関する知識が問われます。
これらの分野は広いですが、競売という特定のテーマに集中しているため、学習の焦点を絞りやすいのが特徴です。

競売不動産取扱主任者試験の難易度を宅建と比べると?

不動産業界での基本資格として広く認知されている宅地建物取引士(宅建)試験と比べると、競売不動産取扱主任者試験の難易度はかなり低いと言えます。

宅建試験の合格率は平均して15%前後で推移しており、競売不動産取扱主任者試験の合格率の半分以下です。
この違いは、試験内容や受験者の層に大きく影響されています。

宅建試験は不動産取引全般に関する広範な知識を問う試験です。
出題範囲は法律、税制、建築基準、取引実務など多岐にわたり、深い理解が求められます。
さらに、試験問題も多岐にわたるため、総合的な知識を持つことが必要です。

一方で、競売不動産取扱主任者試験は、競売に特化した知識を問う試験です。
試験範囲が限定されているため、受験者は特定の分野に集中して学習でき、効率的に準備を進めることができます。
そのため、試験問題も比較的予測しやすく、合格率が高い要因となっています。

また、宅建試験は多くの新規参入者や学生が受験するのに対し、競売不動産取扱主任者試験は実務経験を持つプロフェッショナルが多く受験します。
この違いも、合格率の差に影響を与えています。

宅建を持っていると競売不動産取扱主任者試験は比較的簡単

試験実施団体である不動産競売流通協会の公式サイトでも「宅建学習者であれば20〜25時間程度の勉強で合格できる」と言及されているように、宅建を持っている方なら比較的簡単に競売不動産取扱主任者試験に合格することが可能です。

ただし、競売不動産取扱主任者試験で出題されるのは民事執行法など競売不動産に関する知識が主なため、宅建の知識のみでは合格することはできませんのでご注意下さい。

競売不動産取扱主任者試験の難易度を大学の偏差値で例えると?

競売不動産取扱主任者試験の難易度を大学の偏差値で例えると、50程度、日東駒専のやや下程度だと考えられます。

さほど難しい試験ではありません。

競売不動産取扱主任者試験はなぜ合格率が高い?他の不動産系資格と比べて難易度が低い理由とは?

競売不動産取扱主任者試験の合格率が高い理由として、以下の点が挙げられます。

特化した試験内容

試験範囲が競売に特化しているため、受験者が必要な知識を集中して学ぶことができます。

特定のテーマに絞られているため、効率的に学習が進められるのです。

限られた受験者層

宅建のような資格と異なり、不動産業界で既に実務経験を持つ人が多く受験する傾向にあります。

実務経験者は、日常業務で競売に関する知識を既に持っていることが多く、試験勉強も比較的スムーズに進めることができる点が影響していると考えられます。

これらの要因により、競売不動産取扱主任者試験は他の不動産系資格試験と比較して難易度が低く、合格率が高いという特徴があります。
特に、宅建試験のような広範な知識が必要な試験と比べると、その違いは顕著です。

過去問をみて難易度を確かめてみよう

【問1】不動産競売の開始手続に関する次の記述のうち、民事執行法の規定によれば、適切なものはどれか。

 1.強制競売事件の事件番号の符号は(ケ)であり、担保不動産競売事件の事件番号の符号は(ヌ)である。
 2.債務者所有の不動産に差押えがなされた場合、債務者は、差し押さえられた不動産の処分ができなくなることに加え、通常の用法に従って使用し、又は収益することもできなくなる。
 3.執行裁判所が扱う不動産の競売事件には、担保不動産競売事件、強制競売事件及び形式的競売事件があるが、いずれも債務の清算を目的とする。
 4.差押えの効力は、強制競売の開始決定が債務者に送達された時に生じるが、当該開始決定の送達前に差押えの登記がされたときは、当該登記がされた時に生じる。

解答)4.差押えの効力は、強制競売の開始決定が債務者に送達された時に生じるが、当該開始決定の送達前に差押えの登記がされたときは、当該登記がされた時に生じる。

不動産競売流通協会 過去問サンプル

まとめ

競売不動産取扱主任者試験は、合格率が例年30%台前半、難易度としては低~中程度となっています。

競売不動産取扱主任者試験は、実務に直結した知識を問う試験であり、実務経験のある、もしくは宅建保有者にとっては比較的取り組みやすい試験と言えるでしょう。